人権ってなあに?

一人ひとりが人間らしく生きていくために、
生まれながらにして持っている大切な権利
人権は、「人なら誰でも、いつでも、どこにいても、同じように持っているもの」です。すべての人は、尊くかけがえのない大切な存在であり、生命と自由を保障され、それぞれの幸福を追求する権利があります。
人権は、ヨーロッパで生まれた考え方で、一人ひとりを大切にし、どんな場合でもそれを踏みにじったり、無視したりしてはならないとしました。しかし、異なる人種や奴隷、侵略した国の人々にはそれを認めず、差別的な扱いをしました。また、女性や子どもにも人権を認めていませんでした。
第二次世界大戦後、人権の軽視が戦争を引き起こし、戦争がさらに人権を侵害したという反省から、1948年12月10日に国際連合(国連)は世界人権宣言を採択しました。この宣言は前文と30の条文からなっており、人種差別の撤廃や女子差別の撤廃、拷問禁止、子どもの権利、障害者の権利などが盛り込まれ、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」とされています。
日本国憲法でもほぼ同じ内容を定めており、第14条において「すべて国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されない」と書かれています。
私たちは、誰もが自分らしく生きることができ、人として大切にされる社会を望んでいます。しかし、現実社会には、同和問題、女性、子ども、高齢者、障害者、HIV感染者等、外国人などのさまざまな人権問題があります。また、近年は犯罪被害者等の人権、災害と人権、インターネット上の人権問題や性的指向・性自認に関わる問題も私たちの身近な人権問題として位置づけられ、さまざまな取り組みが行われています。
すべての人の人権が尊重され、差別のない、差別が受け入れられない社会づくりを進めていくためにも、世界人権宣言や日本国憲法に示された各権利を守り、行使していく必要があります。